60〜

60代の日記です。

笑える就活

今回は小さな有限会社に応募しました。


時給が良かったことと

扱っているのが大好きな食品だから。


せっかちの私は

今日も約束の20分前に現地に到着。


あ、ここか、、。

建物を確認しながら周囲の環境をチェック。


約束の10分前になったので

建物の入り口付近で作業をしていた

うんと年配の女性に面接に来た旨を伝えると

取り次いで下さるため

二階に上がって行かれました。


しばらくして降りて来られ

「二階にどうぞ」と仰るも

年配女性は階下にとどまり上に向かって

「ぎんちゃーん、ぎんちゃーん」

と叫び続けるという不思議な光景。


この方どうしたのかしら?

ぎんちゃんって誰?

担当者はお取り込み中なの?


「お約束の時間にはまだ少し早いので

外でお待ちしましょうか?」と聞くと

上がってもらうよう言われたからと仰る。


でも「ぎんちゃーん」は続く。


???の状態で、それではお邪魔しますと

女性の脇をすり抜け階段を上りかけた時

ぎんちゃんの正体が判明しました。


狭い階段を上り切ったところに

ドッシリと横たわるワンコ。顔がデカイ。

雑種のように見えるが

目つきはシベリアンハスキー風で

私をガン見している。


「ぎんちゃん、そこどいて」


階段を行こうとする私の後ろから

年配女性が声をかけるが

ぎんちゃんは私を睨んだまま。


目線を合わせながら

ちょっと微笑んで見せたりして数段上る。

ぎんちゃんの目が光ったような気がする。


私は犬好きです。

犬からも好かれるほうだと思います。

目が合ったお散歩中のワンコが

ビビビッと来たような表情で

飼い主さんを引っ張り

私に向かって一目散に甘えてくる

なんてことはしょっちゅうです。

「犬好きな方のことは分かるんですよね」

飼い主さんからよく言われる言葉です。


しかし、ぎんちゃんの目の色は

気持ちが窺い知れずむしろ恐ろしい。


「このワンちゃん、大丈夫ですか?」


機嫌が悪くないか?

初対面の人には厳しくないか?

噛まないか?という意味で

階下の女性を振り返り尋ねると


「たぶん大丈夫だと思うけれど、、」


あー!

あなた今私の視線を逸らしましたね?

やだ怖〜い。

たぶんじゃ困るんですけれど。


“犬は苦手ですか?”


逆に聞いてくる。


「苦手ではないです」


苦手じゃなければ行けと言うのか?

ぎんちゃんを跨ぐように行けと?

ぎんちゃんが突然アクションを起こし

私が階段から落ちでもしたら

あなたも間違いなく圧死ですわよ。


困って階段の中程で立ち往生していると

二階に中年女性の姿が現れました。

おそらく面接担当者でしょう。


“この子大丈夫ですからどうぞ”

とは言わず


“犬は苦手ですか?”


同じことを聞いてきました。

こういう飼い主、いますね。

こちらの問題ではないと思うのだけど。


女性はぎんちゃんを力づくで

移動させようとしましたが

ぎんちゃんテコでも動かない構え。

視線はずっと私を捉え

そしてついに唸り始めました。


あ、やっぱり。君、不機嫌だよね。

初っ端から気に入らなかったの?

それとも私のせいで引っ張られてるから?

とにかくアンタ今けっこう怒ってるよね。


唸るぎんちゃんが引きずられて行き

一瞬視界から消えたので

恐る恐るもう一段階段を上ると

飼い主を振り切り戻って来て

今にも私に襲いかかるように

さらに強く唸り声をあげました。


“あーあ、また始まったわよ”


うしろで年配女性が呟きました。


“また” なんだ。


“ぎんちゃん、ぎんちゃん”と引っ張る女性と

抵抗しながら私に唸るぎんちゃん。



「すみませんが帰ります。

面接は結構です。失礼します。」


大きな声でご挨拶をして階段を降りました。


“ちょっと待って下さい!”


何度か呼び止められたけれど

それは無理です。


ぎんちゃん怖すぎです。

万一でも噛まれたり飛びかかられたりして

怪我をしたくはありません。


もう一度出口で「失礼しました」と叫んで

帰途につきました。


帰りの電車の中から


恐ろしかったので失礼しましたと

応募辞退のメールを打ちました。


すぐに

怖い思いをさせてすみませんと

返信メールが来ました。



怖い思いをさせて、ってwww


私はお友だちを訪ねたわけではない。

面接をするというから

履歴書を用意し(残り物ですが)

交通費をかけてわざわざ行ったのです。

最低限の受け入れ態勢は整えようよ。


内心はそう思いましたが

伝えたところでねww


そんなわけで履歴書は減りませんでした。